Currywurstほど最高なものはないさ!

ドイツの名物料理というと地方によって微妙に異なるようですが、ドイツで最もポピュラーな軽食といえば『Currywurst(カリーヴルスト)』、これでしょう。
(右下写真は、ビアレストランのカリーヴルスト。)

Currywurst簡単に言うと、焼いたソーセージにケチャップとカレー粉を混ぜたものがかかっている料理、というよりもやはり軽食です。こんな単純な(失礼!)一品ですが、ドイツではその発祥地はどこなのかという激論が繰り広げられているそうです。
「それはベルリンでしょう?」と思う日本の方は多いかもしれませんが、どうなんでしょう……ベルリンに対抗して「こっちが先だ!」と気勢を上げ続けているのは、ハンブルクです。

1949年9月4日に、Herta Heuwer(ヘルタ・ホイヴァー)という女性がベルリンにあった自分の軽食店でカリーヴルストを作ったのが始まり、という話があります。
彼女はChili(チリ:唐辛子)とKetchup(ケチャップ)で作ったそれを『Chillup』と名付けて特許まで取っていたそうですから、これは事実なのでしょう。ただChiliupという名前から味を想像すると、果たしてそれが今のカリーヴルストとイコールだろうか?と個人的には思いますが。

Göttinger Currywurstそれはともかく、ベルリンでは彼女の生誕90周年であった2003年(ご本人は1999年に他界)に、軽食店のあった場所に記念プレートを掲げ、2009年にはDeutsches Currywurst Museum(カリーヴルスト博物館)をオープン、と着々と既成事実を作っていきました。

その一方で、1993年に『Die Entdeckung der Currywurst』(直訳すると『カリーヴルストの発見』)という小説がドイツで出版されました。
この本の中に『1949年よりも前にハンブルクでカリーヴルストを食べた』というくだりがあるそうなのですが、著者が「これは実体験である」と表明したから、さあ大変。ハンブルク市民は、それを盾に勢いを盛り返しちゃったんでしょうね。

Göttinger Currywurst

そんな論争とは全く関係のない我が街・Göttingen(ゲッティンゲン)にも、カリーヴルストの店はあります。
Bratwurst Glöckle』(上・右写真)では『Göttinger Currywurst』(ゲッティンゲンのカリーヴルスト)と銘打って、一皿2.6ユーロ(約350円)で販売。週末には結構な人で賑わっています。
店内を覗いてみると、ソーセージは炭火で焼かれていました。これが美味しさの秘訣でしょうね。カレー粉はお好みで各自トッピング。カリーヴルストには通常ポテトフライかパンが添えられますが、ここではパンが付いてきます。

ところで、ドイツにはこんな歌もあるんですよ。その名も『Currywurst』(1982年)。歌詞はそれ程大した内容ではないように思うのですが、こんな歌があるということだけで、私はドイツ人のカリーヴルストへの愛情の深さを感じました。
おまけにもうひとつ。

Gewürzsauce
ご家庭でもカリーヴルストをどうぞ、ということでスーパーで売られているGewürzsauce(ゲヴルツゾーセ:スパイシーソース。そのままカリーヴルストに使えるものもある)の種類の多さを見ても、どんなにこの類いの味がドイツ人に人気なのかがわかるでしょう!

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