南端 Malmöから北端 Kirunaへ:オーロラ編

Kiruna(キルナ)はこじんまりとした静かな街です。
街の中心部から少しだけ離れて住宅地へ入ると、たっぷりの雪の中にまだ飾られていたクリスマスイルミネーションがあちこちで光り、かわいらしい雰囲気でした。

Kiruna

キルナの街自体にはそれほど観光スポットはないのですが、お勧めは Kiruna Kyrka(キルナ教会)。

Kiruna kyrka
kiruna kyrka1912年に建てられた木造教会で、キルナを含めたラップランドの先住民であるサーミ族の小屋をモチーフとして設計されたのだそうです。
ちなみにこの建物は、LKAB(キルナにある国営鉱山会社)がキルナの住人に寄贈したもの。

キルナでは観光だけじゃなく、スキーなどももちろんできます。キルナについての情報は、こちらに詳しく載っていますのでご参照ください。

観光スポットが少ないとはいっても、街中には観光客がたくさんいます。おそらく全員オーロラ目当てなんだと思いますが、オーロラが拝めるかどうか微妙な夜でもやきもきしている様子もなく、なぜか皆さんゆったり構えてる。今日もだめだろうからとりあえずビールでも飲んで、てなもんで、レストランはどこも盛況です。

雪が降っていて今日は絶対にオーロラはだめだ、という夜に、ビアパブで夕食を摂ることにしました。この日も店は混んでいて、席が全然空いていない。仕方なく、テーブル席で一人で飲んでいた地元の方らしきおじさんと相席させてもらいました。

赤いセーターがお似合いの小さなおじさんは気のいい方で、「生まれたのはストックホルムだけどキルナに移ってきて、その後ヨーテボリに行ったけどまた戻ってきてね……」などと片言の英語で一生懸命喋ってくれます。Kiruna_beerpub
少しするとおじさんの友達がやってきて、一緒に飲むことになりました。その方は大工さんで、若い頃はヤマハのスノーモービルに乗ってレースに出ていたんだそう。
「ヤマハが一番だよ!」なんていう話を聞いていると、今度はまた違うおじさんが大工のおじさんに話しかけてきて……と、キルナは気さくな方が多いのか、そこは単なる楽しい飲み会の場となってしまいました。

しばらくしてソファー席に移ろうとしたところ、赤いセーターのおじさんがなかなか来ない。どうしたのかと思い見に行くと、ぐずぐずしながら店の出入り口のほうへ歩いて行きます。
その先にいたのは婦人警官数人。おじさんはおとなしく婦人警官に両腕を抱えられ、そのままパトカーに乗せられてしまいました。

店員に「一緒に飲んでいただけなのに、なんで?」と聞いても「彼はもう飲み過ぎなのよ」と言うだけ。おじさんの仲間に話しても、別に驚いた様子もない。
他にも連れて行かれた酔っぱらいがいたところを見ると、どうもキルナでは『飲み過ぎ』というだけで、店からつまみ出されることになっているようです(苦笑)まあ考えてみれば、日中でも−25℃の土地で夜空の下寝ちゃったら、それだけでオシマイですもんね。。
あの赤いセーターのおじさんもきっと、先刻御承知だったんでしょう。極寒の中酔っぱらって歩いて家まで帰るの、面倒くさいですもんねえ、、

さて、問題のオーロラです。
『オーロラ予報』なんてないので、見方もよくわからないままに何となく参考にしていたサイトはこちらこちら。滞在中、夜間晴れたのは2日でしたが、1日目はサイトをチェックしていても全くオーロラが見える気配はありませんでした。

2日目に晴れた夜、期待しながらサイトを見るとうっすらとオーロラらしきものが映ってる。早速仕度をして、30分ほど歩いて街から離れた裏手の丘へ行ってみました(街中では明るくて見えないそうです。オーロラが見えやすい場所は、ツーリストインフォメーションで教えてくれます)。
すると、ぼんやりと見えるじゃないですか!

Kiruna_northern lights

「へ?」と思いましたよね(笑)? 私も予想していたよりも小規模だったなあ、とは思います。
でも実際に目にしたときには感激しましたよ。ポスターなどで見るような素晴らしいカーテン状のものではないけれど、緑色のふわふわしたものが形を変えながら夜空に漂っているのは、とても幻想的でした(写真は露出が合っていないため、全体的に明るく写っています)。
寒さにガタガタ震えながらも、足踏みをしながら2、30分はそこでオーロラを眺めていました。

今回よくわかったのは、オーロラは思っていたよりもずっと条件が揃っていないと見られない、ということ。ましてや、イメージするようなカーテン状のものを見るのはとても難しいと思います。
まず快晴でなければ可能性はゼロです。晴れていても太陽から不定期に送られてくる『太陽風』が来ていなければダメだし、星と同じで暗い場所じゃなきゃ見えないし……他の観光客はそれをよく知っていて、はなから長い滞在期間をとっているんでしょう。だからみんなオーロラが見られないからといって躍起にならず、ゆったりと構えていたのかもしれませんね。

 

南端 Malmöから北端 Kirunaへ:オーロラ編」への2件のフィードバック

  1. Mater Chronus

    教会…幻想的&カ・ワ・イ・イ(^o^)
    オーロラ…うん、緑の漂う靄のようなものが写ってますねぇ。
    でも、現地に立って感じる空気間ってありますよね…-25℃の地に2~30分立っていられたと言う事は、かなり感激されたんでしょうね(^^)v(^^)v(^^)v

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      いや〜感激しましたよ! でもオーロラって、結構長い時間出るものなんですね。この日は夜空の2、3カ所でオーロラが出て、結局夜10時過ぎまで見ていました。
      現地のガイドがつくオーロラツアーなどもあるんですが、それには参加しなかったせいか周りには観光客もほとんどいなくて、静かで寒くて、余計に北極圏らしい空気を感じられてよかったですよ。

      返信

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