ドイツの初夏は、白アスパラガスと共に

Rape blossomsドイツの最もよい季節が始まりました。
まだ多少肌寒さは残っているものの、少し前までは菜の花、今はライラックや藤などの花が咲き誇り、日に日に緑も濃くなって生命力に満ちあふれているように感じます。

この時期に登場する食材は、Weißer Spargel(ヴァイサーシュパーゲル:白アスパラガス)。ほぼ同じ頃にイチゴ、少し遅れてサクランボなど、季節が運んでくるドイツの旬の味はいくつかあると思いますが、私の中では白アスパラガスがダントツナンバーワンです。
日本で食べた白アスパラガスは缶詰で、ムニャッとしたあれがそのテイストなんだ、と思い込んでいましたが、それは間違いでした。ドイツで食べる白アスパラガスは全く別もので、甘味と歯ごたえがあって格別に美味しい食材です。

Spargelfeldイチゴなどもそうですが、白アスパラガスもいわゆる『はしり』の頃は南ヨーロッパで採れたものがスーパーに並び、やがてドイツ産のものを見掛けるようになります。
白アスパラガスは今がドイツで採れる時期。
白い色からわかるように、わざわざ土に埋めて育てるので収穫するのが大変らしいのですが、それを担うのは周辺諸国からの季節労働者が多いという話です(左写真はゲッティンゲンにある白アスパラガス畑)。

つい先日、スーパーの入り口に出ていた臨時店舗を覗くと、1kg 5.9〜7.9ユーロの新鮮そうな白アスパラガスが並んでいました。
売り場には行列ができています。先頭の人は4kg分を大人買いして、専用の入れ物まで持参という用意周到ぶり。

Weißer Spargel
その勢いにつられて、思わず列に並びました。一番太くて美味しそうな白アスパラが、なぜか最も安い価格帯にあったので、それを1kg購入。

売り場を仕切るのはイケメンのお兄さん。売り上げを伸ばすには定石でしょうが、親切に応対してくれるので悪い気はしません(笑)
お金を払うと、お兄さんは「アスパラガスの皮は剥きますか?」と笑顔で聞いてくれます。レジの向こうには『自動アスパラガス皮むき器』が設置されていました。

Weißer Spargel
せっかくなのでお願いすると、太いアスパラガス1kg分=10本程度の皮むきは、ものの20秒で終了。しかし彼は、最後まできっちりと仕事をする人でした。

Weißer Spargelお兄さん「皮は持って帰りますか?」
私「はい(アスパラガスと皮を一緒に茹でるとよい出汁が出る、と友人から聞いた為)。」
お兄さん「アスパラガスと皮は別々の袋に入れますか?」
私「どっちでもいいです。」
お兄さん「じゃあ、皮は一緒に入れておきますね、そのほうが鮮度が保たれるから。」(と、言ったと思われる。)

そんなやりとりの後、彼は自動皮むき器の扉を開けて、それまでにたくさん溜まっていた皮を鷲掴みにし、たっぷりと袋に入れてくれました。
最後に、今度は私のほうから「アスパラガスと皮は一緒に茹でていいんですよね?」と確認すると、「そのほうが美味しくなりますよ。」とお兄さんはやはり笑顔で答え、最後に「Guten Appetit(グーテンアペティート:召し上がれ)!」と言ってくれました。
うーん、できる。

Weißer Spargelドイツでは、白アスパラガスにはオーランデーズソースをかける(右写真)のがよくある食べ方のようですが、これがバターと卵黄を使ったカロリーが高そうな一品。
先日ドイツ人の知人と、白アスパラガスをどう食べるかという話になりました。彼女曰く「オーランデーズソースはカロリーが高いし作るのが面倒よねえ、だから私はバターをかけて食べるの」。
それじゃあやっぱりカロリー過多なのでは……?と思ったのですが、つっこんでよいものだったんでしょうか(笑)
ちなみに私は、塩をちょっとだけかけて食べるのが好きです。

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