Bier 行脚:München 編・その2

現在ドイツに存在する醸造所は1000以上を数えるそうですが、その多くが Bayern(バイエルン)州にあります。バイエルン州の州都は München(ミュンヘン)。ここにも当然醸造所はあります。

Augustiner am Dom

Augustiner(アウグスティーナー)、 Hacker Pschorr(ハッカープショアー)、 Hofbräu(ホーフブロイ)、 Löwenbräu(レーヴェンブロイ) 、Paulaner(パウラーナー) 、Spaten (シュパーテン)の6つがそれで、どこも長い歴史を持っています(日本でも知られている Franziskaner(フランチスカーナー)は名前だけが残っており、ビールは現在レーヴェンブロイで造られている)。
実はそれらの中で唯一、アウグスティーナーだけが会社として独り立ちし続けている醸造所で、ミュンヘンだけでもいくつかの店舗を持っています。

以前ミュンヘンに住んでいたというドイツ人からも「ミュンヘンならアウグスティーナーが一番!」と勧められ、実際に飲んでみてその美味しさに感動したのは去年のこと。訪れたのは、ミュンヘンの街中にある Augustiner am Dom でした。
古い造りの決して広くはない店内で、客同士が肩を寄せ合いながら賑やかにビールを飲むと、まるで昔のドイツにいるかのように感じたものでした。

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goe103_low今回再度ミュンヘンへ行くことになり、やはりアウグスティーナーは外せないということで別のお店へ行ってみました。
中央駅方面にある Augustiner Bräustuben(上写真)は、広いビアホール。平日の19時頃でしたが、お客さんでいっぱいでした。

ここで味わったのは、ミュンヘンに住む友人から勧められた Edelstoff(エーデルシュトフ・右写真。0.5ℓ・2.75ユーロ)。下面発酵のエキスポートビール(麦汁エキス濃度が12〜14%、アルコール度数が5%以上)で、これが美味しい上に物価高のミュンヘンで飲むビールにしては安い! Hell(ヘル:明るい色の上面発酵ビール)やWeißbier(ヴァイスビア:小麦のビール)も試しましたが、エーデルシュトフが一番美味しく感じました。

相席が当たり前のこのお店では、ドイツのビール文化(=楽しいお喋りにビールを添える)に則って他のお客さんとも交流ができます。このときは近くの会社に勤める同僚仲間で来た人や、台湾からの女子三人組などと美味しいビールを片手にお喋りを楽しめました。バイエルン料理も味わえ、旅行で立ち寄るにももってこいだと思います。

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今回のミュンヘン行きではもう一箇所、友人がマイクロブルワリーへ案内してくれました。

Giesinger Brau
Untergiesinger ErhellungGiesinger Bräu(ギージンガーブロイ)という名の醸造所で、街の中心部から電車ですぐのところにあります。ミュンヘンのビアレストランにしては珍しい現代的な内装で、比較的若い年齢層のお客さんが多かったようですが、和気あいあいとした雰囲気で賑わっていました。
ここのビールの第一印象は『美味しいけど、ちょっと変わっていて面白い』。ヘル(左写真)は澄んでおらず濁りのある黄色、ヴァイスビア(右下写真)は黄色ではなく茶色、というように既成概念をぶち破るビールが相次ぎました。

2006年にガレージから始まったギージンガーのビール造り。当初は、例えばフルーツやスパイスの効いたビールのような個性的なものを醸造していたのだそうです。
その後ドイツでは定番のヘルやヴァイスビアを造り始め2007年頃から売り上げを伸ばしたそうですが、そんな基本のビールさえ通常と違うのは、ギージンガーが始まった頃からの基本姿勢は変わっていないよ、ということの表れなのかもしれません。Giesinger Weißbier

いくつかの定番ビールを提供し続ける、というのがドイツの醸造所としては普通のスタイルだと思いますが、こちらはそうではなく、いつも季節のビールが数種類あるそうです。
聞いたところによると、日本人の醸造者もここで働いているのだとか。いろんなビールを次々と造るのは、もしかしたらそんな影響もあるのかもしれませんね。

伝統的な醸造所が占めるミュンヘンに殴り込み(?)をかけ、地元の方にも愛されているマイクロブルワリー。今後どんな風に進化していくのか、再訪するのが楽しみです。

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