Bier 行脚:Lüneburg 編

Lüneburg(リューネブルク)は Göttingen(ゲッティンゲン)と同じく Niedersachsen(ニーダーザクセン州)にある街です。

Lüneburg
Lüneburg前々回の記事で取り上げた Lübeck(リューベック)と同じように、ここは昔、ハンザ都市として繁栄しました。ハンザ同盟都市間で取引されていたニシンの塩漬けを作る際に、リューネブルクで採れる塩が用いられたためです。

リューネブルクには Lüneburger Heide(リューネブルガー・ハイデ)と呼ばれる自然公園があって、ハイキングを楽しむ観光客も多いようですが、今回私が訪れたのは商店やレストランなどが並ぶ街の中心部のみ。
Mälzer旧市街地には、昔の繁栄を想像させる古くて美しい建物が軒を連ね、運河がその街並に彩りを添えています。それほど大きくはありませんが、どこを取っても絵になるような、趣のある街です。

「この街に、地ビールを飲める店はありますか?」と宿の方に尋ね、教えてもらったのが『Mälzer』(メルツァー)でした。
ウェブサイトによると、1540年からビール醸造所兼宿屋(ドイツにおける昔ながらの宿屋のスタイル。今でもドイツにはそのような宿があります。)として同じ場所で営業していたらしいのですが、その後紆余曲折があり、1997年から再びビール醸造所として営業することになったそうです。

Mälzer入口を入ると、店内は少し時代がかった雰囲気のある造り。奥へ進むと、ビールの煮沸釜がドーンと置かれていますが、それ自体は特に珍しいことではありません。
ところが間もなくBraumeister(ブラウマイスター:醸造責任者)が現れ、作業をし始めるではありませんか。
時刻は19時半頃で、多くのお客さんが訪れる時間帯です。にもかかわらず、ブラウマイスターはそんなことを全く気にしていない様子。さらに作業の合間には釜の横で本を読んだりして、気ままに過ごしています。
しまいには、何かの拍子に急に店内の湿度が若干上がり、酵母の香りで満たされ……そんな作業風景を面白く眺めながら、ビールを楽しませてもらいました。

Mälzerこの醸造所では季節によって異なるビールを造っているようですが、この日味わったのは、Pils(ピルス:上写真右側。明るい色の下面発酵ビール)とWeizenbier(ヴァイツェンビア:上写真左側。小麦のビール)。
一口飲んだ印象は、どちらもフレッシュでブドウのような果実を思わせる味、というもの。全く違うタイプのビールなのに近い風味を感じたのは、ホップのせいでしょうか。どちらも美味しくいただきました。

もしハイキングに興味がなく、リューネブルガー・ハイデなんか行かずに市街地だけを楽しみたい場合、リューネブルクは一泊二日が丁度よいサイズの街だと思いました。
日中は美しい街並や運河を眺めながら思う存分散歩を楽しみ、夜はメルツァーでビールを楽しむ、これがリューネブルク市街地での正しい過ごし方でしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>