“芸術の春” を楽しむ Konstrundan

『Konstrundan』(コンストルンダン= Art tour)というものが Skåne(スコーネ:マルメを含むスウェーデン南端の県)で毎年行われていると知ったのは、イースターの数日前。スコーネに住むアーティスト達が自分のアトリエやギャラリーを開放し、イースターの週末から一週間後の週末にかけて作品を展示するイベントです。
なぜイースターに合わせて開催されるのかはわかりませんが、少しずつ暖かくなって外出しやすい時期を選んでのことなのかもしれません。

Malmö

初めて Konstrundan が開かれたのはスコーネの南東部で、45年前のこと。数人のアーティストから始まったイベントが、今ではスコーネ全域に広がったのだそうです。
スコーネには地域ごとにアーティスト集団(ÖSKGKonstnärsgruppen SydvästVästra Skånes Konstnärs GilleKonstrundan MittskåneKonstrundan Nordvästra Skåne)があって、基本的には各団体に登録している作家が Konstrundan に参加しています。

マルメの街中にも、作品を展示している作家のギャラリーがいくつかありました。
まず最初に訪れたのは、コラージュを組み合わせたアクリル画家のギャラリー。作風から若手作家かと思いきや年配の画家が奥から現れ、意外性になんだか嬉しくなりました。

Gallery
半分冗談だとは思いますが、Konstrundan 期間中にたくさん作品を売り、そのお金で来年のイースターまで過ごす作家もいる(!)とイベント情報をくれた方が言っていました。
Gallery実際にどのギャラリーでも作品には全て値段が付いていましたが、総じて比較的お手頃価格だったような気がします。
このギャラリーでは小品なら700クローナ(約10000円)からあり、思わず購買欲がそそられてしまう設定でした。

次に訪れたのは、水彩画とエッチングの作家のギャラリー。
「音楽を聴いてインスピレーションを得ることが多いんです」とは、画家ご本人の説明。どこでもアーティスト自身が訪れる人の対応をしてくれ、直接説明を聞くことができます。Gallery
色使いがきれいな作品が多くありましたが「スウェーデン人は無彩色や地味な色を好む人が多いんだけど、私はこういう色が好きなの」とも話してくれました。

最後はスコーネの風景を描く水彩画家のスタジオ。ここでは普段、水彩画教室も開いているそうです。
スウェーデンの南端にあるスコーネは、太陽光の具合が他の土地よりもよいので、引っ越してくるアーティストが多いという話なんですが、こちらの画家もご多分に漏れず、スウェーデンの北方にあるBoden(ボーデン)出身とのことでした。

Map今回訪れたのはマルメにあるギャラリーだけでしたが、作品を見られる場所はスコーネ全体だと数えきれない程たくさんあります(左写真の印がある場所全て)。絵だけでなく彫刻や陶芸、テキスタイルなど様々な作家が参加しているようですよ(詳細は前述の各アーティスト集団サイトをご参照ください)。

今年の Konstrundan は4月7日(日)まで開催されます。ただしギャラリーによっては、イースターを含む週末しか開放していないところもあるので要注意。
この時期を狙って車であちこちのギャラリーを訪ねながらスコーネをまわる、という旅も楽しそうですね。
気が早すぎますが、来年の春の旅行にお勧めします。

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