Göttingenへ越してきました

ドイツはGöttingen(ゲッティンゲン)という街での生活が始まってから、間もなく一年になろうとしています。
地図で見ると、この街はドイツの中央付近に位置していますが、Niedersachsen(ニーダーザクセン州)というドイツでも北方にある州に属しています。その州の南端にあるので、ちょうどドイツの真ん中辺りになる訳です。

『ドイツ』というと、ある程度イメージし易い国かもしれません。私も一般的な日本人レベルのイメージを持ってドイツへ来ました。ビール、サッカー、ベートーベンなどの偉大な作曲家達が生まれた国……
実際にそのイメージは、ある程度当たっているのではないかと思います。
でもこちらに来てからは、ドイツのいろいろな都市をひとつの『ドイツ』というイメージで単純に一括りにはできない、という思いが強くなりました。どこの国でも同じことが言えるのかもしれませんが、ドイツにおいても各都市が異なる顔を持っていて、さらにそれぞれの都市に住む人々が、それぞれの地域に多少なりとも愛着と誇りを持っているように感じることがあるからです。

さて、今回私がしばらくの間生活することになったゲッティンゲンは、人口13万人(2013年の統計)、ざっと東京都の人口の約100分の1で、ドイツの中でも大きいとは言えない街です。Daten Fakten Zahlen
最大の特徴は、『大学街』であるということ。
それを裏付けるかのように、今年2014年にゲッティンゲン市が発行した統計資料(写真右端のグラフ。2013年の統計。クリックで拡大します)を見ると、20〜30代の人口が最も多いと記されています。ちなみにグラフの左側『männlich』が男性、右側『weiblich』が女性の数を示しています。

そんなこの街の中心は、その昔あのグリム兄弟が教鞭を執っていたこともある『Georg-August-Universität Göttingen』(ゲオルグ・アウグスト大学ゲッティンゲン。通称ゲッティンゲン大学)だと言ってよいでしょう。
残念ながら日本ではあまり知られていない大学だと思うので、少しだけ説明しますと、1737年に創設され(講義は1734年から行われていたようです)、これまでにノーベル賞受賞者をなんと45人も輩出しています。

Göttingen Universität

写真は、中央キャンパスにある大学図書館の入り口付近。街のあちこに大学関係の施設が点在していることもあり、特に10月の新入生が入学してくる時期には街は学生だらけになります。

もうひとつ、これも日本ではあまり知られていないと思いますが、マックス・プランク協会が運営するいくつかの研究所がゲッティンゲンにあります。ちなみに今年のノーベル賞受賞者の一人は、ゲッティンゲンにあるMax-Planck-Institut für biophysikalische Chemieの所長でした。
写真は、今年新設された Max-Planck-Institut für Sonnensystemforschungの建物。

Max-planck Instisut

そんな訳で、ゲッティンゲンにはドイツで生まれ育った人だけでなく、ドイツ国外から来た留学生や研究者もたくさん住んでいます。

ある日、ドイツ人女性がドイツ以外の国から来た何人かに向けて「ゲッティンゲンの見どころはどこだと思いますか?」と質問すると、そこにいた全員が首をひねり始め、最終的にある男性が「ゲッティンゲン大学でしょう。大学がなかったら街が成り立たない。」と言っていました。私も同感です。

ゲッティンゲンは古い建物や緑もたくさんあってかわいらしい街ではあるのですが、観光地かと問われると、う〜ん、違うでしょうね。ドイツ旅行の合間に、休憩するために立ち寄るのにはもってこいかもしれません……見どころ巡りのためにあちこち走り回らなくて済む街なので(笑)
とは言っても、もちろん魅力がない街という訳ではありません。街の様子や身の回りで気になったことなどを、少しずつ綴っていきたいと思っています。

 

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