Weihnachtsmarktで “味わう” ドイツのクリスマス

Weender Straße11月頃からでしょうか、日中でも空は灰色で夕方のように薄暗く、そのままいつの間にかとっぷりと日が暮れている、という日が多くなりました。どんどん日も短くなり、今日現在では日の出が8時25分、日の入りが16時14分だそうです。

そんな寒くて暗ーい季節に人々を温かい気持ちにさせる、それがクリスマスなんだなあ、うまくできているなあ!とつくづく感心している今日この頃。もしクリスマスがなかったら、現代ならまだしも昔のドイツでは、この暗く沈んだ季節を乗り越えるのは相当厳しかったんじゃないかと想像します。

Weihnachtsmarkt
ドイツ語ではクリスマスをWeihnachten(ヴァイナハテン)と言いますが、ドイツのクリスマスにつきものなのは、なんといってもWeihnachtsmarkt(ヴァイナハツマルクト〈クリスマス市〉)でしょう。ここGöttingen(ゲッティンゲン)でも、今年は11月26日から12月29日までクリスマス市が立っています。
「ドイツで有名なのは、Nürnberg(ニュルンベルク)のクリスマス市だね。ゲッティンゲンのはとっても小さいけど…」と、ゲッティンゲンに住むドイツ人が自嘲気味に言っていましたが、いやいやゲッティンゲンのクリスマス市だって、規模はともかく、十分にかわいらしく感動ものです。

Glühweinドイツのクリスマス市に絶対欠かせないもの、それはGlühwein(グリューワイン〈ホットワイン〉)です。赤ワイン(サクランボのお酒などの場合もある)に砂糖を入れ、Nelken(ネルケン〈丁子〉)やZimt(ツィムト〈シナモン〉)などのスパイスを効かせた甘くて温かい飲み物。クリスマス市では、多くの人がグリューワイン片手にお喋りを楽しんでいます。
酒好きの私は、一口飲んで「甘っ!」感じたこのワイン。でも冷たい空気の中で味わっていると、その甘さと温かさがドイツの寒さにとてもマッチしているのがわかり、皆が飲んでいるのにもすっかり納得。スパイスを効かせるのには『体を温めるため』という意味もあるようです。

Eierpunsch und Glühweinもっと甘い飲み物・Eierpunsch(アイアープンシュ〈卵酒〉)(右写真左側。右側はグリューワイン)にも挑戦。卵黄とラムなどのお酒、砂糖などが入った温かい飲み物です。
この卵酒には生クリームを乗せるかどうか選べますが、私は生クリーム付きをお勧めします。この甘さがまた寒い中では格別の美味しさ! ただし、生クリームが温かいお酒の上でどんどん溶けてくるので、飲み始めはハイペースでいかないとグラスが大変なことになります。
ちなみにゲッティンゲンのクリスマス市では、飲み物の値段は2〜3.5ユーロ位。それにグラスのデポジットが1ユーロかかるので最初に3〜4.5ユーロ位を支払い、飲み終わってグラスを返すとデポジットが返金される仕組みになっています。

Halber Meter Bratwurstさて、クリスマス市につきものの食べ物はというと、あるドイツ人によるとBratwurst(ブラットブルスト〈焼きソーセージ〉)とのこと。これはクリスマスに限らずドイツでは日常的に食べられますが、確かにクリスマス市では焼きソーセージにかぶりついている人がたくさんいます。
念のため、私も試してみることにしました。普段とは違う『Halber Meter Bratwurst』(ハルパーメーターブラットブルスト〈1/2m焼きソーセージ〉)をオーダー。焼きソーセージは注文すると通常パンに挟まってきますが、50㎝のソーセージは一体どんな風に挟まっているのか?と思ったら、普通に半分に折り畳まれてパンに挟まっていました…

Gebrannte MandelnアーGebrannte Mandelnモンドなどのナッツに砂糖やチョコレートパウダーなどをまぶしたもの(Gebrannte Mandeln(ゲブランテマンデルン〈炒りアーモンド〉))を売っている屋台もたくさん出ていたので、これにもトライ。王道と思われる『アーモンドの砂糖がけ』を注文しました。
これが予想以上に美味しい! その秘密は、どこの屋台でもその場でナッツを炒りながら砂糖をまぶしているため、ホカホカの温かいものが食べられる、というところにありそうです。

Weihnachtsmarkt
ところで、あるドイツ人は「クリスマス市は単に商業的な意味から始まったもので、昔はなかったんだよ。第二次世界大戦以降から徐々に増えていったんじゃないかな。」と言っていました。クリスマス市を伝統的なものだとばかり思い込んでいた私には、意外な話。
でもたとえそれが事実だとしても、寒くて暗いこの時期に皆が気軽に集まってお喋りできる明るい場所があるというのは、ドイツに住む人々にとってはありがたいこと、それこそ救いのようなものなんじゃないか、と感じました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>