Midsommar で夏をお祝い

昨日6月22日はMidsommar、つまりスウェーデンの “真夏”。といっても、日本の夏と比べるととてもそんな風には思えない気候です。例年と比べて今年がどうなのかはわかりませんが、はっきりいって…寒い。もちろん晴れた日の日射しは強くてあっという間に日焼けしますが、日陰や夜は涼しいというよりも寒いくらいです。

Midsommar

でも暦の上では昨日は夏至。あるスウェーデン人の話によると、Midsommar夏の時期には各種のパーティーがぐっと増えるのだとか。一昨日のMidsommarafton(ミッドソンマルアフトン)と昨日のMidsommardagen(ミッドソンマルダーゲン)も、一年で最も盛り上がるお祭りの日のひとつです。
Midsommar(夏至祭)のポール(上写真中央に写っている緑色のもの)を広場に立て、Sill(イワシ)の酢漬けや新ジャガ、卵、イチゴなどを食べるのがお決まり。Midsommardagenは収穫のお祝いでもあるとスウェーデン人から聞いたことがあります。

NyckelharpaそんなMidsommarのお祭りに、私も参加させていただきました。1月のおしまいから造り始めていたNyckelharpa(ニッケルハルパ)もとうとう完成し、それを持参しての参加です。Midsommmarにちなんだイベントが行われた公園や教会など各所をはしごして、スウェーデン民族音楽を弾きまくりました。
以前こちらの記事にご登場いただいたグループに加えていただき、この数ヶ月間一緒に練習してきましたが、ぽっと出の日本人である私を快く迎えてくれた仲間達との演奏はとても楽しいものでした。

Midsommar

ところで、以前の私にとって『外国人』というと、英語が話せなければ人間じゃない、というような高圧的な態度に出られてたちまちこちらが萎縮してしまう、というイメージがあった(苦笑)のですが、スウェーデン人、少なくとも私が出会ったスウェーデンの皆さんはそういった雰囲気が全くなく、逆に奥ゆかしささえ感じることもあったりして、日本人と近いんじゃないか、と思いました。Malmö lådhus
「ごめんなさいね、私の英語が拙くて…」スウェーデン人にこう言われたのは、一度や二度じゃありません。海外でこんな言葉を聞いたのは、私はスウェーデンが初めてです。まるで日本人じゃありませんか?

また、助け合いの精神がある(残っている)ようにも思います。
隣近所などで必ず挨拶をするのはもちろんのこと、街中で困っていると声を掛けてくれたり、またストックホルムへ旅行に行ったときにはマルメに住んでいる友人の友人(どちらもスウェーデン人)、つまり他人が自宅へ泊めてくれたりと、これまで何度スウェーデンの皆さんの優しさに助けられたことかわかりません。
あくまでもマルメの片隅にわずか9ヶ月足らず住んだだけの私の印象なので偏っているかもしれませんが、スウェーデンの皆さんは国境を越えてわかり合える人々だと感じました。ほとんどのスウェーデン人がきれいな英語を話せる、というのもその大きな要因のひとつでしょう。

振り返ってみるとスウェーデン(マルメ)に長期滞在するのは、食料品は比較的安いものの、それ以外の物は東京並みに値段が高くてちょっと厳しいところがありました。でもこちらで仕事を持っての滞在、あるいは短期間の旅行で訪れるには最高の国なんじゃないかと思います。

Swedish flag

さて、とうとうあと数時間で帰国の途に着くこととなり、このブログも今回でおしまいです。
スウェーデンで知り合った方々との別れはつらく、寂しい気持ちでいっぱいですが、またいつか訪れる日を楽しみに待つことにしようと思います。
これまで私のブログを読んでくださった皆様、ありがとうございました。皆様に読んでいただいたお陰で、最後まで書き続けることができました。この場を借りて御礼申し上げます。(了)

Midsommar で夏をお祝い」への8件のフィードバック

  1. Mater Chronus

    ニッケルハルパ完成&演奏おめでとう\(^o^)/
    そして、とても素敵な滞在経験だったんですね!
    良かった&良かった(^^)v

    今年の日本の気候はおかしくて、いつもだと猛暑地の代名詞は熊谷や練馬なのに関東が比較的涼しくて関西や西日本で最高気温を観測したり、または北海道のほうが関東より暑かったりしています(..)
    それでも、日本の方が暑いでしょうから…帰って来て体調を崩されませんように(^.^)

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      お気遣いありがとうございます!
      スウェーデンは日本人にとってあまり馴染みのない国ですが、よいところでした。皆さんにも行ってみていただきたい国です。

      返信
  2. あっこ

    masbloを通して、いままで知り得なかったスウェーデンを初めて知ることができました。毎回興味深いレポート、楽しかったです。こちらこそありがとうございました!!! Tack så mycket!←と現地で言いたかった…

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      そういっていただけるととても嬉しいです。本当にありがとうございました!

      返信
  3. m’amour

    Welcome home!
    スウェーデンではたくさんのいい人たちに出会えて、ほんとうによかったですね。
    その国の印象はやっはり“人”ですものね。
    最後には演奏会までできて・・・
    それにしてもあんな難しそうな楽器を短期間でマスターできたなんて、もしかしたら天才音楽少女!?
    それまでスウェーデンはストックホルムしか知りませんでしたが、おかげですっかりマルメ通(略してマルツー)になりました。
    なかでも意外だったのは、あちこちに「日本」があること。
    あの謎の「南端日本文化研究所」はともかく、剣道には驚きました。柔道、合気道、空手ならわかるのですが、剣道ってあの防具に西洋人ならひきません?一人か二人なら、まあ変わった人もいるもんやですみますが、立派な剣道大会があるのですからね。
    それにお花見。あの「北欧の桜祭り」の2枚目の写真は、何度見ても大阪城公園の花見風景です。あの道路の左手にはお堀があって、その向こうには天守閣がそびえている・・・母と行ったので亡き母を思いだしました(シミジミ)。
    そんなことを含めて長い間楽しく珍しい情報をありがとうございました。

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      m’amourさん、記事をたくさん読んでくださり本当にありがとうございました!
      『マルツー』になられたとのこと、私もとても嬉しく思います(笑)
      私がスウェーデンへ渡る前、日本ではマルメの情報を入手することはほとんどできませんでしたが、アチラは意外と日本のことを知っていたりしますよ。日本に興味のあるスウェーデン人と知り合うことが多かった、ということもあったと思いますが、たまたま知り合った人に「剣道って知ってる?」と聞いたら「ああ、こういうやつでしょ?」と竹刀を振るフリをされたことも何度かありました。たぶん、映画などで『Samurai』を見て剣道を知った方が多いんじゃないかと思います。
      何かひとつ『日本モノ』の武器を持ってスウェーデンへ行ったら、きっと興味を持つ方と出会えると思います。m’amourさんも是非一度スウェーデンへ! 私もいつかお花見の時期に大阪城公園へ行って、逆北欧体験をしようと思います(笑)

      返信
  4. m’amour

    あ、なるほど映画ですね。そういえば日本の映画は随分昔からヨーロッパにも知られていますから、映画のなかの侍(samurai)→刀剣→剣道、納得です。日本の剣道に漂うなにかしら神秘的で気高い精神性が彼らを惹きつけるのでしょう。「ラスト・サムライ」ではトム・クルーズ君もサマになっていました。
    何かひとつ「日本モノ」を身につけてスウェーデンへ・・・そういわれてわが身を振り返ると・・・柔剣道まるでダメ、合気道は大学の体育でとっただけ、茶道・書道・華道心得なし、まあやれるのは極道ぐらいかなあ。

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      極道ですかー(笑)
      Tattooはスウェーデンでも流行っているようなので、それもアリかもしれません、、

      返信

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