頼もーぉう! Heidelberg

週末を利用して、日本人にも人気のあるドイツの観光地・Heidelberg(ハイデルベルク)を訪れました。電車だとGöttingen(ゲッティンゲン)から南へ3時間程で行けるのですが、旅費節約のため長距離バスを利用。電車より長い4時間20分かかりますが、運賃は電車の約半分です。

Schloss Heidelberg

ゲッティンゲンとハイデルベルク、この二つに共通するのは『大学街』だということ。そのため、ちょっとだけライバル心を燃やして街へ乗り込みました。
ところが中央駅から旧市街地まで歩いて行くにつれて、そんな勢いは何処へやら。路面電車、川幅の広いネッカー川、長ーい旧市街地とゲッティンゲンにはないものが次々に出現……極めつけは、お城!(上写真奥)どう頑張ってもゲッティンゲンにはありません。

Universitätsbibliothek Heidelbergそもそもゲッティンゲン大学は1734年創立、それに対してRuprecht-Karls-Universität Heidelberg(ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク。通称ハイデルベルク大学)の創立は1386年で約350年も先輩(!)ですからね、さすがはドイツ最古の大学です。

ハイデルベルクは、いかにも大学街といった心地よい雰囲気。何時間でもいられそうな古書店、学生が集ういくつものカフェ、そして私が最も感動したのは大学図書館です。
1905年に建てられたもので思ったより古くはないのですが、外観は重厚感あるクラシック調でとても趣があります。内部はアールデコを感じるデザインが施され、また違った雰囲気。学生以外でも自由に入ることができます。

Universitätsbibliothek Heidelbergこの図書館の目玉のひとつは、大学が所蔵する『Codex Manesse』(マネッセ写本)。1340年頃に完成した、今もって彩色鮮やかな詩集です。残念ながら今回はタイミングが合わず、私は見ることができませんでしたが、入り口を入ってすぐの階上にある展示室で、別の古書をたっぷりと閲覧しました。ここでは定期的に展覧会が開かれるようで、一般の人も無料で見ることができます。

ところで、ヨーロッパ諸国は長い歴史の中で、取った取られたの戦争を繰り返して国の形を変えながら発展してきました。
ドイツも同様で、今よりも国土の広い神聖ローマ帝国(962年〜1806年)と呼ばれる時代がありましたが、その頃のハイデルベルクには選帝候(皇帝に対する選挙権を持っていた人)の一人が住んでいたのだそうです。

Schloss Heidelbergハイデルベルク城は、その選帝候の宮廷だったんですね。
13世紀前半に建てられたものらしいのですが、幾度かの戦争を経て崩壊と再建を繰り返し、その後見捨てられそうになっていたところ、 100年程前に修復が始められたようです。
このお城の入場料は6ユーロですが、麓から出ているケーブルカーのチケット売り場でコンビ券を買うと、同じ料金でケーブルカーに乗ってお城まで往復することができます。とはいっても、ケーブルカーだとお城までものの5分程なので、帰りは丘からの素晴らしい眺望を楽しみながら歩いても気持ちよいでしょう。
Heidelberg
Wein im Heidelberger Schloss私はさらに6ユーロをプラスしてガイドツアーに参加しましたが、城内を見学しながら説明を聞くことができて面白かったので、ツアー付きをお勧めします。

ハイデルベルクの辺りはワインで有名ですが、昔の選帝候は税金としてワインを徴収したのだそうです。それを貯蔵するために造った巨大な樽も城内に残されており、そのすぐ隣にあるワインバーではドイツワインを楽しむこともできます。

Kurpfälzisches Museumハイデルベルクに住んでいた選帝候は、後にMannheim(マンハイム)へと居を移してしまいますが、選帝候のコレクションなどを集めた博物館・Kurpfälzisches Museum(プファルツ選帝候博物館)が旧市街地にあります。Pfalz(プファルツ)というのは人名ではなく爵位の称号で、ハイデルベルクを含む一帯を治めていたプファルツが、後に選帝候にもなったことに由来する呼称です。
この博物館は、美術品だけでなくハイデルベルクに関する考古学関係の資料など、興味深い展示が盛りだくさんで、時間がたっぷりないととても見切れません。
その内容はざっくりと割愛させていただきますが、ハイデルベルクには様々な歴史があったことがよーくわかりました。

Heidelberg

例えば、神聖ローマ帝国時代にローマへと続く道がハイデルベルクを通っていたが、今は畑になっている、なんていう展示を見ると、感慨深いものがありましたね。そんな長い歴史の中で磨かれた美しさが、ハイデルベルクにはあるのかもしれません。

この勝負、ハイデルベルクの不戦勝?……とは言いたくないものの、先輩、参りました。

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