Bier 行脚:Heidelberg 編

Heidelberg(ハイデルベルク)はワインが有名ですが、Brauerei(ブラウエライ:ビール醸造所)もちゃんとあります。しかもひとつではなく、旧市街だけで3つも!
それらを含めたいくつかの醸造所を回ってみましたが、個人的に美味しいと感じたところをご紹介したいと思います。

Vetter

ハイデルベルクを観光したことのある方なら、もしかしたらネッカー川にかかるAlte Brücke(アルテ・ブリュッケ)を渡ったかもしれません。そのアルテブリュッケのたもと、Brückentor(ブリュッケントア:上写真奥に写っている塔のような門)のすぐ近くに、旧市街にある醸造所のひとつVetter(フェッター)があります。
Vetter1987年に醸造開始。創業数百年級の醸造所もたくさんあるドイツでは、まだまだ若手かもしれません。店内にはビールの煮沸釜が置かれ、多くの客で賑わっていました。
日本にいた頃は、ドイツビールというとWeißbier(ヴァイスビア:小麦のビール)が定番かと思っていたのですが、どうも本場ではそうではなく、一般的にはHell(ヘル:明るい色の上面発酵ビール)のほうが定番のようです。もちろん地域によって差はあると思いますが、どこの醸造所でもヴァイツェンはなくても大抵ヘルは造っているし、実際に飲み続けるとヘルのほうが飽きがきません。
ここフェッターではヘルの他、Dunkel Weizen(ドュンケルヴァイツェン:小麦麦芽を炒って造る褐色のビール)、季節限定のMärzen(メルツェン:褐色の下面発酵ビール)を提供。私は特にメルツェンが美味しく感じました。ただこのビール、元々3月(ドイツ語でMärz)に造られるからMärzenというのだそうです。ここを訪れたのは1月のおしまいでしたけれど。
goe59_low食べ物も充実していて、Wurst(ヴルスト:ソーセージ。ドイツではいわゆる日本のソーセージよりも太いものも多い。左写真)やKäse(ケーゼ:チーズ)の盛り合わせなどの他、Schnitzel(シュニッツェル:薄いトンカツのようなもの)などでしっかりと食事することもできます。
このお店では、店頭で1L瓶に樽生ビールを注いでくれて3ユーロ(+瓶代3ユーロ)で販売もしています。地元の人らしき面々が空瓶をぶら下げて買いに来ていましたが、地域にも密着している様子に好感が持てました。

旧市街からバスに乗って15分ほど走ったところには、Klosterhof(クロスターホフ)という醸造所があります。『クロスター』は修道院という意味ですが、この醸造所と同じ丘の中腹にある修道院 Stift Neuburg(スティフト・ノイブルク)にちなんだ名前のようです。Klosterhof2009年創業。ここもドイツビールの世界ではまだまだひよっこです。
この丘には、醸造所の他にレストランや地元で作られた食材などが買える店舗もあり、どこもほぼ隣接しているため一緒に回ることもできます。この一角は恐らく、以前は大きな農場だったんじゃないでしょうか。建物の古い部分と新しい部分を上手に組み合わせて、カントリーテイストを効かせたよい雰囲気に仕上がっています。
まずは醸造所へ直行して「ビール飲めますか?」と尋ねると「ここでは飲めないのでレストランへ行ってください。」と言われました。

すぐ目の前にあったレストランは温かい雰囲気で、窓からは草を食む羊達が見えました。
月曜日、しかも昼食の時間はとっくに過ぎていたせいか空いていましたが、ビールは美味しかったですよ。飲んだのはヘル(写真右)とドュンケル(写真左)とヴァイツェン。ここでもやはり、ヘルは安定した美味しさだと感じました。Klosterhof
ビールを運んで来てくれた女性に「ビールが好きなんです。」と言うと「私もビール大好きなの!」と答えてくれました。こうでなくちゃいけませんよね。思わず一杯目のビールを飲む前から「また来たい!」と思ってしまいました。

今回ご紹介したハイデルベルクの醸造所は、どちらもまだ歴史が浅くはありますが、ドイツビールの文化を継承していこうという心意気がよいじゃありませんか。
同じ大学街である我らがGöttingen(ゲッティンゲン)でも、そんな気概のある学生が出てこないものかと心待ちにしています。

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