ドイツの春は、森へ山菜採りに

Göttingen Universitätここのところ、徐々に天気のよい季節=春が戻ってきました。
11月頃から始まったGöttingen(ゲッティンゲン)の冬は、いつも空が暗く憂鬱で、性格まで変わりそうな気候でした。
それもやっとおしまい。急に日も長くなり、皆が開放的な気分になっているのがわかります。ドイツやスウェーデンのような暗くて長い冬のある国では、どんなに春が来るのが嬉しいことなのか、一年を通して過ごすと実感できます。
ゲッティンゲン大学の桜も満開。写真は4月13日に中央キャンパスで撮ったもので、ソメイヨシノとは種類が違います。新しい学期が大学でも始まり、街を歩く学生の数も増えました。

Bärlauch日本では、四季を通して美味しい旬の味覚がありますよね。その一方ドイツでは、冬の美味しい食材ってあるんでしょうか。強いて言えば鳥?……という話を耳に挟んだことはありますが、本格的に様々な旬の味が出てくるのは、温かくなってきたこれからの季節でしょう。
まず登場したのは、Bärlauch(ベアラオホ。『行者にんにく』に近い種類の植物)。ドイツ名を直訳すると熊ねぎ。これが生えている森を近くに見つけたという友人に、ベアラオホ採りへ連れて行ってもらいました。

ドイツやスウェーデンでは、基本的にどの森でも自由に入ることができます。その森の中では、商売ではなく自分で消費する分だけなら、何かを採取してもよいことになっています。私達が目指した森はちょっとしたハイキングコースにもなっていて、散歩を楽しむ人達も何組かいました。
しばらく進んでいくと、一面ベアラオホで埋め尽くされている場所が出現。

Bärlauch
Bärlauchこれが全部『食べもの』だと思うと、だいぶ気分も上がってきます。
私が知っている『行者にんにく』は、根っこ部分の瓶詰めでしたが、ドイツでは専ら青々とした葉を食べるのだという話。行者にんにくとよく似た植物なのに、食べる部分から違うんですね。次のシーズンにまた生えてくるように、敢えて根を残すという理由もあるようです。

葉をちぎると、ふわーっと香るにんにく臭。これは効きそうです。
まだ花が咲く前のほうが、葉が堅くなくて美味しいのだそう。あちこちにつぼみがついているところを見ると、ギリギリセーフでした。

Bärlauch rezeptbuch
後日、一冊丸ごとベアラオホの料理本を見つけました。スープやソースを始め、ベアラオホを練り込んだパンやバター、ハンバーグ(写真)などのレシピが載っています。
こんな本があるところを見ると、ドイツではベアラオホ好きが結構いるのかもしれません。ペーストにして楽しむ人が多いという話も聞きました。

ゲッティンゲンのようなドイツの小さな街のよいところは、アスファルトに覆われていない土の部分がとても多いこと。そのため、街のあちこちに様々な草木が生えています。
ドイツにはベアラオホ ≒ 行者にんにくもあるんだし、日本の早春のような最近の気候ならきっとヨモギも生えているはずだ!と勝手に決め込んで、自転車に乗りながらそんな草地に目を光らせていますが、残念ながら今のところ見つけられていません。
ハンターは今日も、獲物を探しながら自転車を走らせています。

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