ドイツで通院 —ドイツの健康保険制度

1月に入ってから、Göttingen(ゲッティンゲン)はすっかりドイツの冬らしい寒さになりました。冷え込んだ朝に自転車に乗っていると、二重にはめた手袋の指先から凍傷になるかと思う程です。でも、これが普通。こうでなくちゃ、地球の健康が心配になります。

Göttingen
自分の健康に関していうと、私がドイツで初めて行った病院は眼科でした。
地元の方にどの眼科へ行ったらよいか教えてもらい、まずは予約。ドイツで病院にかかる場合は、通常事前に予約をしなければなりません。

当日診察を済ませ、料金を払おうと受付の目の前にあった椅子に座り名前を呼ばれるのを待っていたのですが、何故か他の人はそのまま帰っている様子。おかしいと思い受付の方に尋ねると、「あなたの保険だと、お金を払う必要はありませんよ。」とのこと。
なんだかよくわからないまま、ラッキーと思いながら帰ったのでした。

Gesundheitskarteドイツで暮らすためには、必ず健康保険に加入していなければならないことになっています。
ドイツの健康保険は大きく分けて、国が制度設計を行っているものとそうでないものがあり、さらに年齢や収入の有無など加入条件が様々なタイプのものがあるようです(写真は健康保険証(Wikipediaより))。
いずれにしても、健康保険の運営を請け負っているのは全て民間会社です。

ドイツの一般的な健康保険料は日本の国民健康保険並みに高いですが、ドイツでは保険に加入していると基本的な医療費はかかりません。ここが日本と大きく違います。
そのため私が眼科医にかかったときにも、お金を支払わずにそのまま帰ってよかったという訳です。保険の種類によっては、診察を受けた際に一旦医療費を払って、後日保険会社からお金が戻ってくるというタイプもあります。
これは、ドイツの健康保険の素晴らしい点だと思います。ただしドイツ全体でかかる医療費は、ドイツに住む人々が支払う保険料だけでは賄えないため、一部は税金で補填されているようです。

Universitätsmedizin Göttingenもうひとつよい点は、健康保険の運営を様々な民間会社が請け負っているため競争が起こり、結果的に全体的にかかる医療費が抑えられるであろうということ。
誰でも健康でいたいのは当たり前ですが、保険会社としても加入者にはなるべく健康でいてもらいたいはずです。そのほうが加入者が診察を受ける必要が少なくなり、保険会社が医療機関に支払うお金も少なくて済むでしょうから(写真はゲッティンゲン大学病院)。
そのため保険会社によっては、加入者が定期的に無料で血液検査を受けられるようにするなど、健康でいてもらえるよう努力します。私が加入している保険会社のサイトには、健康でいるためのありとあらゆるアドバイスやリラクゼーリョンのための音楽なども用意されていました。
できるだけ少ないお金で健康管理までできるのなら、加入者としてもそのような保険を選ぶでしょう。ドイツ人の友人に聞いたところ、条件のよい保険に変えることはよくあるようです。

ちなみに薬は、保険が利くものとそうでないものがあるようです。
眼科へ行った際に処方された薬は25ユーロもしましたが、それ以外に処方された薬は、今のところ何故か毎回5ユーロ。眼科の薬は保険が利かなかったようです。
保険が利くかどうかで病気をしてはいられませんから、日頃の管理が重要ということですね。人々の意識を変えるという点においても、ドイツの保険制度は貢献しているのかもしれません。

ドイツで通院 —ドイツの健康保険制度」への2件のフィードバック

  1. mariko

    masbloさん、こんにちは。タイトルを見たらまたケガでもしたのかしら?とドキッとしました!大事ではなかったようでほっとしました。あはは。
    海外で生活するのに、病気になったりした時の医療費は気になりますね。日本なら保険証ありますが、外国なら全部自費となるとおいそれと病院にも行けないと思っていました。
    ドイツの保険は良いですね。もちろんそれなりに保険料は高いのでしょうけれども、健康維持のためのサービスもあるのがおもしろい。ドイツになら安心して住めますね。それでも体調管理には気を付けて下さいね。

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      marikoさん、ご心配おかけしました。でも実は、眼科以外にも病院にはお世話になっていて(苦笑)、その話もこの後の記事で書く予定です。
      ドイツの保険制度は、理に適っていると思います。国に住んでいる人が健康でいるほうが、結果的に国のためにもなりますからね。

      返信

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