12月25日に、ドイツにもサンタクロースがやって来ました。でもサンタのおじさんは、昔からドイツに馴染みがあった訳ではありません。
そもそもドイツでは『サンタクロース』ではなく、Weihnachtsmann(ヴァイナハツマン:クリスマス男、クリスマスの人)と呼びます。
12月にドイツへ来るおじさんと言えば、まず St. Nikolaus(聖ニコラウス)。この方は毎年、12月6日の『聖ニコラウスの日』に来ます。
ドイツ人Aさん「聖ニコラウスの日には、靴を磨かなきゃね。そうすると次の日、靴の中にプレゼントが入っているんだよ。子どもだけじゃなく、大人もやるよ。」
私「大人は誰からプレゼントをもらうの?」
Aさん「僕の場合は妻からだよ。まあ、バレンタインデーみたいな感じだね。」
私「25日にはヴァイナハツマン(サンタクロース)も来るでしょう? 聖ニコラウスとどう違うの?」
Aさん「ヴァイナハツマンは、コカ・コーラと一緒にアメリカから入って来たんだよ(笑)」
ドイツ人Bさん「聖ニコラウスの日に靴をドアにかけておくと、翌朝その中にお菓子や木の実、りんごなんかが入っているのよ。」
私「ヴァイナハツマンとはどう違うんですか?」
Bさん「さあ。私はヴァイナハツマンについてはよく知らないわ。」
私「赤い衣装のヴァイナハツマンは、赤いトレードマークのコカ・コーラと一緒にアメリカから入って来たんじゃないんですか?(←受け売り)」
Bさん「あら、でもニコラウスも赤いマントを着ているわよ。」
なにっ!?
早速検索してみると、確かに聖ニコラウスも赤い装束を身にまとっています。これはきっと
- ヨーロッパの人々がアメリカへ移民
- 6日に来ていたはずの聖ニコラウスを、アメリカではもっとわかりやすく、キリストの誕生日である25日に来ることにしちゃった
- それがドイツに逆輸入され、聖ニコラウスとサンタクロースの二人が来ることになっちゃった
……ってことなのでは?
(右上写真は、ドイツらしくサラミ入りサンタさん。)
聖ニコラウスについて尋ねたことで、もうひとつわかったのは、日本のあちこちで見掛けるクリスマスブーツについて。あれはきっと、ドイツの聖ニコラウスの日に由来するに違いありません。
Aさん「ヴァイナハツマンは雇うこともできるし、近所の人がヴァイナハツマンになる場合もあるけど、とにかく家々に来て子ども達と話をするんだよ。」
私「日本にも来るけど、大抵の人は会ったことないと思う。」
Aさん「カトリック教徒の多い南ドイツのほうでは、ヴァイナハツマンじゃなくて、クリストス・キントがプレゼントを持って来てくれるんだよ。
クリストス・キントは天使のようなもので、人の目には見えないんだ。クリスマスの日に部屋の扉を閉じてしばらくすると、どこからともなくチリンチリンと音がする。それがクリストス・キントが来たっていう合図なんだよ。
扉を開けると、知らない間にプレゼントが置いてある。子ども達は急いでクリストス・キントの姿を確かめに窓辺へ行くけど、何も見えないんだ。日本のヴァイナハツマンは、ちょっとそれに似ているかもね。」
こんな話を聞くとき、つくづく面白いなあと感じます。
遠い昔から未来まで、世界が広くなればなるほど、近くなればなるほど、文化や習慣が影響し合って形作られていくのですね。昔の日本の12月には、どんなおじさんだって来なかったんですから、私達も大きな影響を受けている訳です。
2015年も、間もなくおしまいです。
2016年も皆さまにとって、楽しく健やかな一年でありますように!
masbloさん、こんばんは。
たくさんのサンタクロースの画像、見てるだけで楽しいです。
つかの間、本場のクリスマス気分を味わえました(^o^)。
Weihnachtsmannに聖ニコラウス、サンタクロースにクリストス・キント…
たくさん登場しましたが、いろいろな歴史があり、
文化が影響し合って形作られているのが垣間見られて面白いですね。
サラミ入りサンタなんて、さすが、ドイツ!
私も以前、職場の長老に、お菓子入りのミニミニサンタブーツをいただいたことがあります。
とってもうれしかったなぁ。童心に帰りますね。
日本で12月にやってくるのは、おじさんではないですが、
かさこ地蔵を思い出しました(笑)。
今、日本のスーパーの店頭は、松飾りやおせちで埋め尽くされています。
つい、数日前まではクリスマス一色だったんですけどねぇ。
今年も、知らない世界を開いてくれたmasblo、ありがとうございました。
来年も楽しみにしています!
どうぞよいお年をお迎えくださいね。
Acco
Accoさん、楽しんでいただけてよかったです!
クリスマスには宗教とは関係なく雰囲気を楽しんで、終わった途端に「これからが本番!」と急にお正月体制になる日本の年末年始の様子も、私は嫌いじゃないです(笑)
現地の人と直接関わって、その土地の文化に触れると、驚いたり笑っちゃったりするような面白いことがいろいろとあります。来年もAccoさんのご期待に添えるよう、おかしな発見を書けたらいいな、と思っています。
Accoさんも、どうぞよいお年をお迎えください。