海を眺めに、ドイツの北へ

数年前にスウェーデンに住んでいた頃、初めてバルト海に面している国々を意識しました。その中のひとつがドイツ。でもドイツというと森のイメージが強くて、海がどんな様子なのかあまりイメージできずにいました。
そこで北ドイツにある街・ Travemünde(トラフェミュンデ)へ海を見に行ってみました。ドイツは北海(北西側)とバルト海(北東側)に面していますが、この街はバルト海側にあります。

Travemünde

Travemündeトラフェミュンデというのは『トラフェ川の河口』という意味ですが、その名のとおりこの街は広い河口と海に面しています。大型フェリーも発着する場所で、観光客もたくさん訪れていました。
私が行ったのは6月下旬でそろそろ夏と言える季節でしたが、広い砂浜には Strandkorb(ストランドコルプ。風や砂をよけるための籠椅子)がびっしりと並んでいました。ドイツでは海辺で本を読んだりしながらゆっくりと過ごす人が多いようで、この籠椅子も1日9ユーロ、1週間48ユーロ、1シーズン315ユーロ、おまけに15時以降はハッピーアワーで一日7ユーロという値段設定で貸し出されていましたよ。
Travemündeそれなのに、何故かこの籠椅子を利用したり泳いだりしている人はほとんどいません。

海岸沿いをしばらく歩いていると、気になる機械がありました。
何かと思えば、なんと『砂浜使用料』を支払う機械でした。『5月15日〜9月14日の間、一人につき2.8ユーロ、15時以降は1.4ユーロ』なんて書かれています。ドイツの森林はどこでも自由に入ってよいことになっているのに海はダメだなんて、ドイツと日本とでは山と海の存在が逆なんでしょうか。
ところが後日ドイツ人に聞いてみると「そんなの聞いたことない」とのこと。この砂浜はドイツでも異例の『有料砂浜』なのかもしれません。Travemünde
Travemündeそんな制度を知ってか知らずか、ほとんどの観光客の皆さんは海辺のカフェでお茶を飲んだり散歩をしたりして、使用料を払うことなく海を満喫していました。

トラフェミュンデのような海沿いの街で日本人にとって嬉しいのは、美味しい魚が食べられるということ。
我が街 Göttingen(ゲッティンゲン)でももちろん魚は買えますが、肉と比べるとぐっと高くなるので、我が家はすっかり豚肉中心の食生活です。そのため、今では魚というだけで魅力的に感じるようになってしまいました。ドイツの魚介類は、日本で食べる美味しさには及ばないのですが。

Fish shop in Travemünde

Fish from Travemündeトラフェミュンデにはよい魚屋さんがあるに違いないと思い地元の方に尋ねると、あるお店を教えてくれました。人気店なのか大勢の人が訪れています。
味付けした鮭数種、鯵のマリネや鯖の燻製などを買い込み、その夜は魚づくし。刺身や干物なんて当然ありませんが、魚の美味しさが身に沁みたこと!
全部で22ユーロ。ドイツにしてはこの価格は比較的安い上に美味しいと感じましたが、日本の皆さんからするとどうでしょうか。

ドイツで生活をしていると、折に触れてバランスのとれた日本食の素晴らしさを思い出します。肉だけでなく魚や海藻、豆や根菜類と食材に富んでいる日本の食生活はなんて豊かで健康的なんだろうと、このときもしみじみと日本食に思いを馳せました。

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