Bier 行脚:Berlin 番外編

Reingeitsgebotドイツで Reinheitsgebot(ラインハイツゲボート:ビール純粋令。ビールはホップ、麦芽、酵母、水のみから造られること、と制定)が定められてから、今年で500年。各地でイベントが行われ、郵便局では記念切手も発売されました。

そんな年に敢えて合わせてきたのか、アメリカ西海岸が本拠地のビール醸造所・Stone Brewing(ストーン・ブリューイング)が、ついに本格的にヨーロッパへ上陸しました。
出店したのは、ヨーロッパの中でも恐らく最もビールを愛する国・ドイツ、そしてその中でも最も尖った街・ベルリン。まだプレオープンのようですが、既に醸造はしています。
ベルリンに住む友人の話では、ベルリンには次々と新しいマイクロブルワリーができており、地ビール事情はかなり熱いようです。そんな期待の新人達のビールも試したいところでしたが、今回は時間の都合でアメリカ出身のストーンだけを訪れたので『番外編』としました。

Stone brewing in Berlin現場へ向かったのは、金曜日の夕方。ビアハウスは街の中心から離れた場所にあります。しかし、たとえ行きにくい場所にあってもきっと賑わっているに違いない。。
なにしろストーンと言えば、恐らく世界中で起きている地ビールブームも手伝って、今や飛ぶ鳥を落とす勢いなんじゃないでしょうか。
私自身は、数年前にストーンを日本で飲んだことがありますが、ホップががっつりと効いていてとても美味いビールでした。正に今時の流れに合っているビールを造る醸造所という印象があります。

Stone brewing in Berlinだだっ広い公園の中をブラブラと歩き、しばらくするとレンガの建物が見えてきました。
ところが予想に反して訪れている人は決して多くなく、何やらほのぼのとした雰囲気が漂っています。客に対して店員さんが多すぎる感すらあり、持て余している様子。しかし店員さんにビールのことを聞くと丁寧に答えてくれたのは、空いていたお陰かもしれません。

メニューにはたくさんの種類のビールが並んでいます。ベルリンで造られているものが7種類、アメリカで造られているものが10種類、ゲストビールとしてベルリンのブルワリーのものが5種類とアメリカのものが1種類の計23種類が提供されていました。食べ物は今のところ、軽食のみ。

早速、王道のIPA(右上写真・左、500ml、6.9ユーロ)ともうひとつの定番・Ruination IPA(右上写真・右、300ml、6.4ユーロ)を飲んでみました。どちらもベルリンで醸造されています。
もちろんどちらも満足の美味しさ、久しぶりのうまいIPAに感動! ただ、以前飲んだ記憶の中のIPAよりも、苦みが若干軽い気がしました(一番下の写真は Vanilla Porter 300ml、4.9ユーロ)。

Stone brewing in Berlin
それにしても、どうしてこんなにも客足がまばらなのでしょう。
確かにIPAというのは、いわゆるドイツビールからはかけ離れた種類ですが、ベルリンならいけるんじゃないかと私も思っていました。
でも、恐らく一番の原因は『ビールの値段』じゃないでしょうか。
Stone brewing in Berlinドイツでは美味しい生ビール(地ビール)500mlが、地域にもよりますが、安ければ2ユーロ台から、通常でも3ユーロ台で飲めます。4ユーロ台だと、既に私は高く感じます。
ところがストーンでは、ビールの価格は500mlで6.9〜8ユーロ台で、しかもその値段の高さのせいなのか、300mlに加えて150mlなどという通常のドイツのビアハウスでは考えられない程小さなサイズまで用意されちゃっています。この強気な値段と弱気なサイズ設定が、ビールの種類以上にドイツに馴染まないのではないかと感じました。

ストーンは世界中で儲け過ぎなんじゃないの?と私はうっすらと反感を持っていましたが、今回のベルリンの状況を見て、ちょっと同情してしまいました。
ストーンがどんな台所事情であるにせよ、美味しいビールは美味しい。ドイツの皆さんにも、ホップのビシッと効いたビールの美味しさも知ってもらいたい。
しかしストーンに対しては「ドイツで飲むビールにしては高すぎ」と言いたいところです。

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