スウェーデンの民族楽器、と聞いて思い浮かぶものは……何もない。
たぶん私と同じような方が日本には多いと思いますが、これまでその存在すら知らなかった楽器がスウェーデンにありました。
その名は『Nyckelharpa(ニッケルハルパ)』。ニッケル=鍵、ハルパ=ハープという名前を持つこの楽器は、バイオリンのように弓で弾きますが、歴史はバイオリンよりも古いのだそうです。
ニッケルハルパの音色を聴くきっかけとなったのは、『スコーネ日本人会』主催のミニコンサート。民族衣装に身を包んだニッケルハルパ愛好家グループ Harpolirarna が、スコーネ地方に伝わる民族音楽などを演奏してくださいました。
リーダーの Jan
近くで見せていただくと、その仕組みのおもしろさに目を奪われます。鍵盤にあたる部分が、二層とか三層になっているんですね。この鍵盤部分をネック方向へ押すと木のでっぱりで弦が押さえられて決まった音(ド、レ、ミなど)が出る、というのが基本的な仕組み。
一方何本もの弦が張られていますが、実際に弓で弾くのはその中の限られた数本。残りは音を共鳴させるためにあるのだそうです。
音色はバイオリンにも似たとても美しいもので、民族音楽だけでなくクラシックなどを弾いてもぴったり(こちらで民族音楽を、こちらでクラシック音楽を聞くことができます)。
優れた楽器なのに、スウェーデンでも実物を見たことのある人は少ないのでは?と言われているほど、現在ではマイナーなものになってしまったようです。
Jan-Erikさんによると、その昔ニッケルハルパはあちこちの教会で歌や踊りに合わせて盛んに演奏されていたという話。
でも、そのような楽しい場所にはお酒がつきもの。泥酔して喧嘩を始める人が出できて、遂には「ニッケルハルパを教会に持ち込むのは禁止!」となってしまい、廃れてしまったのだそうです。
この話を聞いて、私は日本における月琴の歴史を思い出してしまいました。聞いたところによると、大ブームだったのに日清戦争をきっかけに敵性楽器とされて廃れてしまったんですよね。。
スウェーデンでニッケルハルパについて勉強し、製作をされている日本人の方もいらっしゃいます。彼もニッケルハルパの魅力に取り憑かれた一人なのでしょう、ゆくゆくはこちらでご自身の工房を構えたいとおっしゃっていました。
どんなものでもそうですが、たとえ古くさいと言われようと優れたものはいつまでも残っていってほしいものです。
*日本でニッケルハルパが聴けるイベントに関しては、こちらに載っています。
目を閉じて聴いてるとヴァイオリンかと思っちゃいますね。
弦がたくさんあってどうやって弾くのかと思ったら、共鳴効果ですかー。
奥の深い、音色も深い味わいの民族楽器ですね。
こんなステキな音色を奏でるのに、お酒の席で喧嘩とは・・・悲しい限りです。
音楽とは人の心を癒すものと思っていますから。
本当にそうですよね、私もニッケルハルパの演奏会で癒されました。。
何十本もの弦が張られているものもあったのですが、最初から調弦しようとすると1時間かかる、とJan-Erickさんはおっしゃってました。
記事中で民族音楽が聴けるリンクも張りましたので、クラシック音楽と聴き比べてみてくださいね。
Swedish folk music、良いですね〜。民族的楽器の辿る運命はどこも似通ってるみたい。。。みんながんばろう。
がんばるぞー(^o^)!
ニッケルハルパをアフリカへ持ち帰った人がいたんだけど、気候が合わなくて壊れちゃったらしい、とJan-Erickさんから聞きました。
民族楽器はその地で生まれるべくして生まれたものなんだなあ、と改めて思った話でした。そういう背景を考えただけでも民族楽器には価値がありますよね!
おぉ~~~っ! 民族音楽いいですねぇ。
また暖炉にくべたマキからゆらゆら揺れる炎、なんとも言えません。
貴重な体験されましたね。
その場に居れないのが非常に残念ですが、遠く離れていてもこうして
見る事・知る事・聴く事ができて嬉しいです^^
Youtubeの民族音楽は私が聴いた曲とはたぶん違うのですが、だいたいこんなテイストでした。
クラシック音楽のほうと全然印象が違うでしょう? 同じ楽器で演奏しているのに、おもしろいですよね!
私も知らなかったスウェーデンのことを一緒に楽しんでいただければ嬉しく思います。