実録・ドイツで手術と入院

急な腹痛で病院へ行ったところ、胆石があることがわかりました。
ごく小さいものだけれど早めに取るに越したことは無いし、この手の手術を受ける人はよくいる、とは医師の話。腹腔鏡手術で入院も2、3日だというので、受けることにしました。
Krankenhaus手術が行われるのは午前中。しかし前日からの入院ではなく、当日朝7時に病院へ来るように、とのことでした。

病院に着くと、病室で手術着一枚に着替えて待つように言われました。手術着は割烹着のような作りで、背中側に着いている紐を結んで留める方式。日本でも同様かもしれませんが、これでは後ろからはほぼ丸見え(汗)
出勤したての執刀医が挨拶に来るわ落ち着かないわで、仕方なく上からコートを羽織って待つことにしました。

しばらくすると看護士が呼びに来て、手術準備室へ。
準備室では、麻酔科医というには若過ぎるような、しかも朝早くからアイメイクばっちりの女性が私の寝ているベッドの傍らへ来て、感じよく挨拶をします。
「こんにちは。私が麻酔を担当する◯◯です。」
何時起きでメイクしたんだろ? などと考えている間に、彼女は私の手の甲へ麻酔針を刺し始めました。
ところが、まだ眠らされていない私の眼に映る彼女は、何やら焦っている様子。何度も針を刺し直し、側にいた他の女性にも相談しています。
「穴開け過ぎ〜!」と思った頃、バタバタとやはり若めの男性が来て、まずは律儀に私に挨拶をします。はいはい、わかったからちゃんと麻酔薬を入れてくれ……
後から考えると、彼らは研修医だったのかもしれません。そういえば最初に病院で検査を受けたときも、研修医とそのボスの二人一組で腹部エコーをされましたっけ。
気付いたら手術は終わり、病室へ戻っていました。

術後は、執刀医とは別の医師が定期的に様子を見に来てくれましたが、そういえば『石』は見せてもらえませんでしたね。日本ではたぶん『きちんと取った証拠』として見せられるのでしょうが、ドイツではそんな考えはないのかもしれません。

今回の入院で唯一興味津々だったのは、食事。手術前に大ざっぱな献立表(下写真でお盆に立ててあるカード)を渡され、希望するものにチェックを入れて看護士に渡していたこともあり、楽しみにしていたのです。
献立表を見たところでは、数種類揃っているお茶だけでなく、パンの種類やデザート、メイン料理まで選べたりして、病院食とはいえ期待を持たせる内容。「術後すぐでも、こんなのも食べていいの?」と嬉しく思いながら、肉料理にチェックを入れたりもしていたものです。

ところが手術翌日、初回の食事である朝食の蓋を恭しく取ると……

Frühstück im Krankenhaus
「えっ?」
小さな食パンがペラッと一枚載っているだけ、、涙。
その後の食事も、あんなにいろいろと選ばせておきながらその通りには出てきていない様子……肉料理ももちろんナシでした。

Essen im Krankenhaus
写真左上から時計回りに、手術翌日の昼、晩、退院日の朝、昼の病院食。献立表にあった『Wasser Pudding(水プリン)』とはどんなものなのか確認したくて希望欄にチェックを入れていたのですが、何のことはない、写真にある緑色の物体、安っぽいゼリーでした。
ドイツでは昼食に一番重いものを食べますが、退院日の昼食が一番まともでした。この魚料理、ドイツのレストランで普通に出てきそうなレベルで、美味しくいただきました。

Krankenhaus退院当日になって、退院希望時間を聞かれました。二時までに退院すればよいとのことだったので、せっかくなので昼食をいただいてから、いつもと同じように自転車に乗って帰宅。あっという間の二日半でした。

ところで、私の手術は無料でした。前々回の記事でも書いたように、今回の手術代は医療費にあたるため支払う必要がなかったのです。ただし、入院代(三人部屋・トイレとシャワー付き。写真奥側と左側に、通常はベッドが置かれている)は一日あたり10ユーロかかりました。
退院後は、何かあればかかりつけ医へ行くように言われましたが、結局腹部にできた傷のチェックを一度してもらっただけ。術後一年程経ちますが、今まで問題なく過ごしています。

実録・ドイツで手術と入院」への5件のフィードバック

  1. Miyoko WATANABE

    胆石の手術をして1年経ってらしたのね(゜゜;)
    でもさすが…貴重な経験を面白がってますね、masbloさんd=(^o^)=b
    好奇心旺盛なのは健在ですね!
    私も数年間前の年末に副鼻腔炎の手術を内視鏡(日帰り×2週、右と左)で受けましたが、その時も昼食出たっけ…
    1週目は食欲なくて付き添いの主人に食べてもらったけど、2週目はX’masバージョンで盛り付けも工夫してあり、しっかり食べたのを思いだしましたp(^^)q

    どんな環境にいてもその状況を好奇心いっぱいに見る目があれば素敵ですね!
    masbloさんは来年の5月にはまだドイツですか?
    もし、日本に帰られるようならご連絡下さいね…報告会がありますよー!

    返信
    1. masblo 投稿作成者

      Miyokoさんも比較的最近に手術されたのですね。その後の調子はいかがですか?
      病院食がX’masバージョンだなんて、さすがは日本ですねー! そういう楽しみは、ドイツの病院では残念ながらなさそうです(苦笑)

      返信
      1. Miyoko WATANABE

        私の手術は3~4年前になるでしょうか!?
        いやもっと前?…去年の年末でないことは確かですが、近頃は時の過ぎ行くのが早すぎて記憶がついて行きません( ;∀;)
        鼻の調子は最悪期を脱したものの、加齢と生活悪習慣のせいかボチボチ付き合うしかないとあきらめる今日この頃。
        masbloさんは術後、いかがですか?
        腹腔鏡手術は術後の回復が開腹手術に較べて断然早いと言いますものね。

        返信
        1. masblo 投稿作成者

          あ、すみません間違えました! 手術を受けたのは数年前と書いてくださっていましたね。
          その後私のほうは、特に問題ありません。ただ、食生活には気をつけないとなあとは思っています。日本にいるときと比べて魚介類を食べる機会が極端に少なく、豚肉を多く食べているため、脂の摂り過ぎになりがちなので。
          腹腔鏡手術は、本当に楽でした。痛みも少なかったですよ。

          返信
          1. Miyoko WATANABE

            返信が遅くなってごめんなさい(;_・)

            体調が戻って何よりです。
            体に負担の少ない治療がこれからももっと増えてくれるといいですね。
            ドイツは魚介類が手に入り難いのですか?…豚肉、そうですよねウインナーの種類は半端ないらしいですね。

            どこにいらしても、好奇心満載でこれからも色々なお話を載せて下さいねd=(^o^)=

            返信

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